
Standard Book ずっと大切にしたいもの。
リジッドデニム
Rigid Denim
ワードローブの頼れる相棒、
変化も楽しい“デニムらしいデニム”
自分にフィットするデニムさえ持っていれば、いつだって気分は無敵だ。ノンウォッシュのデニムは、なんと言っても生地の風合いと色味の変化が魅力。生地が硬く張りがあり、最初は決してフレンドリーだとは言えないかもしれない。でも、時間をかけて大切にはくことで、身体に合わせた曲線とそれに沿った色落ちが生まれる。体型やライフスタイルを投影した、まさにオンリーワンへと進化していくのだ。名著『チープ・シックーお金をかけないでシックに着こなす法』(1977年/草思社刊)の序章の言葉を思い出す。「シンプルな服を、よく考えて徹底的に、いつまでも着こなすこと」。40年以上も前に刊行され、今なお新鮮なファッション哲学もまた、その在り方を支持しているかのようだ。


Tシャツとデニムは不朽の名カップルとして、常に時代のムードを反映してきた。エルトン・ジョンが『タイニー・ダンサー』(1972年)で「ブルージーンベイビー」と歌えば、ガールズバンドはメッセージTシャツとフレアジーンズでアイデンティティを主張した。映画『KIDS/キッズ』(1995年)でのクロエ・セヴィニーのオーバーサイズTシャツ+ボーイフレンドデニムがストリートを席巻したことも記憶によみがえる。
そしてこの組み合わせを、究極的にシンプルに、永遠のスタンダードとして昇華したのはジェーン・バーキンやジャクリーン・ケネディの清潔感ある着こなしだろうか。彼女たちが世間の羨望を集めていた頃、遠く日本では「ニュートラ」や「ハマトラ」を経て、「トラッド」という考え方が定着したというのも面白い。どちらもベースにあるのは、知的で上品、もしくはそうありたいと願うムードだ。そうやって振り返ってみると、<リジッドデニム>こそがTシャツのベストパートナーに思えてくる。糊がついた生地独特の光沢と深いネイビーは洗練された印象を醸し出し、ベーシックな真っ白いTシャツとコントラストも素敵だ。世代やシーンを問わず愛される、オーセンティックな存在感もいい。

育てていくことで湧く愛着と、どんなときでも自信をくれる品格。これからの自分のために、まずは<リジッドデニム>を手に入れてみる。その選択は、きっと間違ってはいないはずだ。
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Text_ Kanako Uchida
Edit&Web_ Rhino inc.