タータン・チェック

Standard Book ずっと大切にしたいもの。

タータン・チェック

Tartan

伝統に裏打ちされた品格で
ボーダーレスに愛される柄

黒やグレーといったシックなトーンが増えてくるこの季節、街を鮮やかに彩るのは<タータン・チェック>。無造作にくるりと巻いたストールで、風になびくアウターやその裏地で、トラディショナルで上品なキルトスカートで。これほど秋冬シーズンに相応しい存在感を放つ柄は他にない。

タータン・チェックといえば、ロイヤルファミリーの素敵な着こなしを筆頭にまずはイギリスを思い浮かべるが、もともとはスコットランドが発祥。男性がはくスカート型の民族衣装、キルトの柄としても有名だ。幅の異なる色の帯を交差させる単純な柄であるものの、帯の並べ方や色、幅などで組み合わせ方は無限大。そして、これらは全てスコットランド政府の登記局によって、法律にのっとった保存・保護・登録管理がなされているというからすごい。逆に言えば、ここに登録されていないチェック柄はタータンと名乗ることはできないのだ。すでに数千種類が登録されており、日々世界中から新しい登録依頼が届くのだとか。

タータンは、かつての目的や用途に起源を持つ種類で分けられている。スコットランドの由緒ある一族が身につけられる家紋のようなもの、誰でも着用できる地域や地方に根差したもの、「ブラック・ウォッチ」など軍隊の制服などに用いられているもの、そして、王家が特別な場面で用いる「ロイヤル・タータン」などなど。手持ちの柄の由来を知れば、ますます愛着が湧いてくる。

長い歴史の中では、スコットランドの反乱を制したイギリスにより、18世紀に一度その使用が禁止されたこともある。反対に、19世紀には心からタータンを愛して身にまとったヴィクトリア女王によって、ファッションの世界で人気を獲得していったという経緯も持つ。現在までに、多くのブランドやデザイナーのシンボルとして、またアイビーやプレッピーの核として、特別な存在であることは明らかだ。最近では、映画『キャロル』(2016年)での使われ方も印象的だった。50年代NYのグレイッシュな冬の街を舞台に、ルーニー・マーラ演じる主人公がまとう様々なタータン。当時のきらびやかなファッションとは対照的に、品位と節度の象徴として輝いて見えたからだ。

時代に合わせ、どれほどモダナイズされても損なわれることのない格式とオーセンティックな佇まい。それは、寒さの厳しい国で生まれ、歴史を美しく生き抜き、そして国をあげて大切に守られてきたタータン・チェックの軌跡そのもの。誰もが親近感を抱き、自然とこの魅力の虜になってしまう理由でもある。

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Photograph_ Reiko Toyama
Text_ Kanako Uchida
Edit&Web_ Rhino inc.