
Standard Book ずっと大切にしたいもの。
ブレザー
Navy Blazer
伝統と格式に凛々しさが薫る、
アイビーを継承するジャケット。
ブレザーはテーラードジャケットの1つであるが、その大きな特徴はユニフォームにオリジンを持つところ。中でもダブルブレステッドのブレザーは歴史が古く、1830年代頃、に英国海軍のフリゲート艦「ブレザー号」が採用した制服が始まりとする説がある。ネイビーは海軍を象徴するカラーであり、それ以来、他の軍隊でもユニフォームとして着用されることになったのが、伝統や格式を感じさせる所以である。
シングルブレザーのルーツを辿ると、1870年代頃、英国ケンブリッジ大学のボートレースの選手が真紅のジャケットを羽織ったことが起源で、「Blaze(炎)」という言葉が由来という説だ。カレッジスポーツのユニフォームから生まれたジャケットがアメリカに渡り、1918年、〈ブルックスブラザーズ〉から「No.1サックスーツ」が登場。このナチュラルショルダーにボックスシルエットが特徴のモダンなジャケットに、ボタンダウンシャツやレジメンタルタイを合わせたスタイルがアメリカントラディショナルと呼ばれるようになる。アイビーリーグの学生たちの着こなしから生まれたアイビールックでもブレザーは欠かせないアイテムだ。上品でスノッブ、若々しくフレッシュなイメージはここからきているのだろう。


ネイビーの色に加え、カチッとしたウールサージやフランネルで仕立てられるブレザーは、クラシックなジャケットと比べるとシャープで現代的な佇まいが特徴だ。紋章が刻まれた金ボタンは、所属する部隊やチームへの帰属を象徴するものであり、合わせるシャツやボトムによってフォーマルからカジュアルまで着こなせる懐の深さはトラディショナルならでは。シャツをタイドアップすればオーセンティックなアメリカントラッドに、アイビーの流れで、レタードのスウェットやラガーシャツ、ボーダー、チルデンセーターなどのスポーティなアイテムとも相性がいい。ボトムはトラウザーズやチノパンは言わずもがな。ジーンズやショーツ、スカートなど自由に組み合わせを楽しめる。足元は白いソックスにローファーがお約束。

コロナ禍のステイホームでのワンマイルウェアや機能素材のフィーチャー、オーバーサイズなどルーズなストリートウェアへのアンチテーゼ的なムードもあり、トラッドなスタイルにまた注目が集まっている。ボタンダウンシャツ、チノパン、ローファーなども含め、アイビールックにインスパイアされたスタイルは、ラグジュアリーブランドにもみられるほど。長く愛用できるスタンダードであると同時に、常に最新の着こなしに順応できるのもうれしいところだ。
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Text_ Naoko Sasaki
Hair & Make up_ Shikie Murakami
Model_ Tiara(West Management)、Simon(BE NATURAL)
Edit & Web_ Rhino inc.