
Standard Book ずっと大切にしたいもの。
レザーグローブ
Leather gloves
身につける仕草も様になる
クラシカルなアクセサリー。
手袋の歴史は古く、現存する最古のものはエジプトのツタンカーメン王の墓から発見された紀元前14世紀頃の麻製の手袋。高貴な人だけが着用できたことから、権威や権力、宗教的な意味合いを象徴するものだったという。古代ギリシア時代には、労働者階級などの庶民も着用したが、家庭で手編みしたもので、布製や革製の手袋は上流階級のものだった。中世ヨーロッパ以降さらに普及するが、ほとんどがミトン型。5本指の手袋の製作は複雑で多くの資源と技術が必要となるため非常に贅沢な品。王族や貴族などに好まれたのは、所有することで権威を示すだけではなく、そもそも手袋をすることで手荒れや日焼けを防ぎ、”労働をしていない特権階級”であることを表していたから。当時は男性であっても色白で小さな手を誇りとしていたそう。紳士淑女があらゆる社交の場で着用した革手袋はステータスシンボルであり、ジュエリーと同じように正装を整えるためのアクセサリーでもあった。


手袋には様々な素材が使われるが、皮革の特性が存分に発揮されるのが革手袋の魅力だろう。水分や汗を革の毛穴から放出するため蒸れにくく、摩擦や熱に強い。伸縮性があるため手によく馴染み、経年と共に自分の手の形に変化し、風合いも増して行く。また、その縫製がデザインに影響するのも特徴。鹿革や牛革などの厚手のレザーには縫い目を表に出した外縫いが適しており、手縫いやまつり縫いのステッチが堅牢でラフな表情になる。ラムスキンやナパレザー、ヘアシープなどの薄手のレザーには縫い目が表に出ない内縫いが多く、スマートでエレガントな雰囲気になる。
手袋の甲によく見られる3列の縫い目は、ポインツと呼ばれる伝統的な縫製で、装飾だけではなく人差し指から薬指までの腱の動きを助ける役割もあるのだそうだ。また、ライニングも重要で、カシミヤで編み上げたライニングは贅沢な温かみと軽さ、シルクは手に吸い付くような一体感と抗菌性、調湿性などの効果も併せ持つ。一方で、裏地の無いタイプは、直に皮革に触れることで素材をより堪能でき、手入れが楽なので長く愛用できるという特徴がある。
革手袋の最高峰とも言われる〈デンツ〉は、1777年、英国のウースターにてジョン・デントが創業。上質な革の鑑別、カッティングと縫製技術、熟練の職人の手によって32もの工程を経て作られる〈デンツ〉の手袋は、しなやかに優しく肌に馴染み、至極のつけ心地を誇る。手にしていることを忘れてしまうほどのフィット感を持つことから「シークレットフィット」と呼ばれ名声を博したという。その技法は何世代にも渡り職人たちに受け継がれ、現在でも伝統を守り作り続けられている。〈デンツ〉を象徴する皮革の一つ、ディアスキンは非常に丈夫でありながらとてもキメが細かく柔らかいという特徴を持つ。上質な皮革と繊細な縫い目の美しさは、クラシカルなアクセサリーとしての役割を十分に果たす存在感がある。

寒いときに手を温める機能性はもちろんのこと、スタイリングに加えるとクラシカルで上品な雰囲気を醸し出すファッションアイテム。付けたり外したりする仕草もエレガントで様になる。近年はタッチスクリーン対応のタイプも多く登場している。古くヨーロッパの逸話では女性が男性に手袋を送ることは愛のしるしとされていたそう。これからの時期、大切な人への贈り物としても喜ばれるのではないだろうか。
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Text_ Naoko Sasaki
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